2014年 08月 02日
ホワイトアルバム2_考察-結局、春希はICでどうすべきだったの? |
0.はじめに
ホワイトアルバム2の考察して行きます。
感想を述べる場にするつもりはありませんのでかなり強引な読みもあります。
絶対的に正しい解釈ではないと思っていますが、みなさんの中にある解釈の1つにでもなれれば幸いです。
何度かTwitterで書いた話を整理したものになります。
※追記(2014.8/24)
重大な誤字を修正しました。
※追記(2015.7/1)
認識を改めまして、こちら(ホワイトアルバム2-考察_IC:問題編、CC:解答編、coda:実践編 と 小春ルートエピローグの色調への疑問)の方が正しいと思っています。この記事は残しておきますが、まずはそちらを読むようにしていただければと思います。
※追記(2015.7/1)
認識を改めまして、こちら(ホワイトアルバム2-考察_IC:問題編、CC:解答編、coda:実践編 と 小春ルートエピローグの色調への疑問)の方が正しいと思っています。この記事は残しておきますが、まずはそちらを読むようにしていただければと思います。
1.CCの役割
ホワイトアルバム2は
序章:intoroductory chapter(IC)
終章:closing chapter(CC)
最終章:coda
の3つの章から成っています。
ここではCCの役割についての考察をしていきます。
いきなりですが、1つの仮説を立てます。
「CCはICの解答例集である」
この仮説を考察して行きます。
2.CCにおけるICとの類似性
ICは春希くんにとって間違いなく失敗です。
IC以降、誰も幸せになっていません。
春希くんが出した解答(そもそも解答を出したのか?という疑問は投げ捨てる)は不正解だった。
一方、CCは不幸になっている人はいますが(雪菜さん、こっち見ないでください)春希は一応筋の通った行動をとって、全員が不幸になるという結末を回避しています。
ICは2/11に雪菜を裏切って、ほぼそのまま物語が終わります。
CCは12/24に雪菜を裏切って、そこでやっと共通ルートが終わります。
(雪菜が許さなかったかどうかという違いはありますが)
そこからのCCの個別ルートはICで正しい答えを出せなかった春希へ示す解答例です。
CCとICは似ています。
雪菜を裏切ることはもちろん、あとは小春を「小春希」と呼んで小春と春希を重ねてみたり、麻理さんを「かずさみたい」と評して麻理さんとかずさを重ねてみたり。
この人物の重ね方がより、「CCはICの解答例集である」説を強めている気がします。
とここまで頑張って書きましたが1mmも伝わってる気がしません。
CCはICのやり直し、と表現すれば少しは分かりやすくなるのかな。
何にせよ、次からは具体例なので分かりやすくなってるはず……
2.CC各ルートの解答例
各ルートごとに解答が違います。
どの解答が最も正しいのかという問いは愚問ですが、少なくともどの解答もIC春希が出した解答よりは正しいです。
それでは各ルートの解答を見ていきましょう。
※1
春希が答えを出さなかったCCノーマルエンド、CC千晶ノーマルエンドには、あまりにも中途半端なので触れません
※2
【A:B】という表記が出てきますがAがICの人物、行動。BがCCの人物、行動になります。
例えばが「【春希:小春】が【雪菜:美穂子】を裏切る」とあるとします。
これを「ICの春希がICの雪菜を裏切るのと同じようにCCの小春がCCの美穂子を裏切る」と読んで頂ければと思います。
単に重なりを強調するための表記にすぎません。
⑴麻理ルート
一番分かりやすいところから
まずは人物の確認。
【かずさ:麻理】は明白ですね。
ICかずさをとったのはIC春希で、CC麻理をとったのもCC春希です。よって【春希:春希】。
【春希:春希】に裏切られたのは【雪菜:雪菜】です。
次に物語に触れていきます。
【春希:春希】が
【2/11:12/24】に
【かずさをとる:かずさを思い出す】という形で
【雪菜:雪菜】を裏切るが、
【春希:春希】が海外に無理やり行くことで
【かずさ:麻理】を
【とるべきだった:とっていく】物語
となります。
麻理ルートは「ICでかずさをとるにはどうすればよかったのか?」という問いについての答え。
つまりICで、強引にでもかずさについてって海外で暮らそうとすれば少なくともかずさを幸せにできた、ということです。
多分これが一番分かりやすいと思います。
⑵小春ルート
少しわかりにくいです。
【春希:小春】は自明です。
IC春希が裏切ったのはIC雪菜ですから【雪菜:美穂子】です。
ICかずさについてですがここではそれほど重要ではありません。一応、【かずさ:春希】になります。
次は物語。
【春希:小春】が
【2/11:詳細不明】に
【雪菜:美穂子】を
【かずさをとる:春希をとる】という形で裏切ったが、
【春希:小春】が徐々に会話を重ねて
【雪菜:美穂子】と関係を再生
【すべきだった:していく】物語
となります。
小春ルートは「ICで雪菜と仲直りする(比喩ではなく、そのままの意味で仲直り)にはどうすればよかったか」という問いについての答え。
つまり、IC後、1年とかそのくらいの長い時間をかけて雪菜とゆっくり話していけば少なくとも雪菜は幸せにできた、ということになります。
極端に言うと、「CCはICの解答例集」という枠組みの中では「春希が小春と雪菜を天秤に載せて小春をとった」ということはどうでもいいことなんです。それよりも「小春が美穂子と仲直りする」ということの方が遥かに大事ですから。
⑶雪菜ルート
人物についてはICとCCは全く同じなので省略。
【春希:春希】が
【2/11:12/24】に
【かずさ:かずさ】をとるという形で
【雪菜:雪菜】を裏切るが、
【春希:春希】が
【雪菜:雪菜】を音楽に向き合わせることで
【雪菜:雪菜】のトラウマを克服し
【雪菜:雪菜】を
【とるべきだった:とっていく】物語
となります
こちらも解答例、と行きたいところですが春希くんが明確な答えを出していない以上、解答例とはいきません。それはcodaに持ち越されてます。それくらいにかずさの存在は大きいということでしょう。
例えば麻理ルートはかずさをとる場合の解答例です。春希は麻理と約束を守るために明らかに雪菜と天秤にかけ、麻理を選んでいます。だからかずさをとる場合の選択肢の解答例は麻理ルートの通り。
しかし雪菜ルートの場合、雪菜をとる場合の解答例であるはずなのに、明確に春希が雪菜とかずさを天秤にかけた場面はありません(はず)。むしろ天秤にかけたら12/24はかずさの方をとったとも言えます。
だから本当の意味での解決はしていません。
よって「雪菜との見せかけの平和を作るにはどうすればいいか?」という問いの答えにすぎないのです。
⑷千晶ルート
かなり難しいです。
というより「CCはICの解答例集」という枠組みがなければ絶対にしない読みです。
納得して頂けるかはかなり自信がありません。
人物の前に整理をします。
千晶ルートでは、他ルート同様、春希は雪菜を裏切りますが、春希は千晶にも裏切られます。
他ルートにはないこの「春希は千晶に裏切られる」に焦点をあてます。
IC
①かずさが春希にキスをする
②雪菜が春希に告白=雪菜がかずさを裏切る
③春希が雪菜を裏切る
④雪菜は春希を許す
CC
①(なし)
②(春希が雪菜を裏切る)
③千晶が春希を裏切る
④春希は千晶を許す
このことを意識すると人物は以下のようになります。
【春希:千晶】
【雪菜:春希】
【かずさ:演劇】(演劇と同じ扱いにされるかずさェ)
なかなか難しいですが物語の方を見て頂ければ理解できるかと思います。
【春希:千晶】が
【2/11:詳細不明】に
【雪菜:春希】を
【かずさ:演劇】をとるという形で裏切るが、
どういうわけか裏切った
【雪菜:春希】には許された。
そして【春希:千晶】は
【かずさ:演劇】も捨てずに
【雪菜:春希】と
【かずさ:演劇】の両方を
【とるべきだった:とっていく】物語
となります。
この千晶ルートを、「春希が千晶に裏切られ、それでも許す物語」とするのではなく「千晶が春希を裏切るが、なぜか春希が許してくれたので、その許しを受け入れる物語」とするのがこの枠組みでの読み方です。
IC雪菜がIC春希に裏切られたことを許す、ということは一般的には理解し難いことです。それでもIC雪菜はIC春希を許します。
同様にCC春希がCC千晶に裏切られたことを許す、ということも一般的には理解し難いです。しかしCC春希は許します。
IC雪菜は、空港で裏切ったIC春希のことを許容していました。ICかずさを捨てくれとは言ってません。
これは現在のCC春希も同じ。演劇を、演技を捨てろとCC千晶に要求してません。
ここに重なりがあります。
また、千晶は本当の気持ちとして、全部諦めないと言ってます。春希も演劇も諦めない、と。
よって、千晶ルートは「雪菜もかずさもどっちもとるにはどうすればいいか?」という問いへの答えです。
つまりICで、かずさのことを忘れないままに雪菜の許しを受け入れれば、一応雪菜を幸せにできた、ということになります。
要するに春希くんに足りなかったのは図々しさだった(?)
⑸おまけ
一応、フローチャートみたいなのを作ったので置いておきます。
IC
①かずさが春希にキス
②雪菜がかずさを裏切る
③春希が雪菜を裏切る
④解答例
⑴かずさをとりたい→麻理√
⑵雪菜と仲直りしたい→小春√
⑶雪菜をとりたい→雪菜√、codaへ
⑷雪菜、かずさ両方とりたい→千晶√
※雪菜を裏切った自分が許せない→IC
3.CCでかずさが空気すぎる件www
私はCCを小春→麻理→千晶→雪菜の順でプレイしました。
小春ルートからずっと感じていた違和感が「かずさが空気すぎる」ということです。
まるでどこかの冴えない彼女、フラットさんのような空気具合です。とてもICで暴れまわっていた個性的なキャラクターとは思えません。
プレイ時はcodaの存在がよく分かっていなかったのでなおさらでした。かずさが12/24に雪菜が春希を振るための舞台装置にしかなっていなかったのですから(12/31に会えないことは攻略サイトを見ながらやっていたので知ってたという)。
CCヒロインズルートはおろか雪菜ルートですら、かずさは天秤に載せられていません。
このことに対する一番良い解釈はcodaの存在です。
CCで決着がついてないのでcodaではっちゃかめっちゃかするわけです。
codaで決着がつくのでCCでかずさが出てくる必要がないのです。
codaは雪菜編しかありませんが、他CCヒロインエンドを迎えた場合でもcodaは存在していると思います。
例えば、CCで麻理エンドを迎えた場合、coda麻理編がある、といった具合に(SSはよ)。
ですが、「CCはICの解答例集」という枠組みでも解釈はできます。
2.⑴〜2.⑷をみればわかるように【A:B】のBの部分にかずさは一回も出てきていません。
はっきり言ってしまえば、ICの解答例を示すのにかずさは不要だった、ということです。
そもそもこの枠組みではヒロインを天秤に載せることが物語の主軸になってない場合があります。
天秤に載せた(載せるべきだった)のは
⑴の麻理ルートと⑶の雪菜ルートの2つです。
⑴の麻理ルートについては【かずさ:麻理】ですからかずさは天秤には載りません。
⑶の雪菜ルートは天秤に載せるべきだったのに載せていません。なのでcodaの惨状を迎えるわけです。
よってかずさが空気でしかるべき、ということです。
4.おわりに
「3.CCでかずさが空気すぎる件www」で少し触れたように、私はプレイ中にこの「かずさの空気具合」に違和感を感じていました。そこで、確か小春エンド麻理エンドを迎えた頃にこの仮説を立てて、納得していました。千晶ルートがかなり強引になってるのはそのためです。
「ICで春希くんはどうすべきだったのか?」
なんて疑問は誰もが抱くものだと思いますが、正解と言えるようなものはいくつもあって全ては選択の問題だ、と丸戸せんせが言ってるような気がします気がするだけです。
「0.はじめに」でも言ってるように、絶対に正しい解釈とは思ってません。ただ、こうも読めて、それで、こう読むとちょっと面白い。そんなもんです。
何かありましたらコメントやらTwitterからどうぞ。 (おわり)
by 95Kogikuna
| 2014-08-02 22:39
| ホワイトアルバム2